ピアノを弾くということ
前回に引き続き同じタイトルでの投稿です。
※以下、ご承知の事とはお察ししますが、念のため一緒に確認をした上で重力奏法について述べています。
現代のピアノが今のようになったのは、ベートーベンの頃です。
最初のピアノは、チェンバロ(=ハープシコード)というもので、鍵盤は軽く、鍵盤数も現代のものより30鍵盤以上少ないものでした。
私はチェンバロを、一度だけ弾いたことがあります。
鋭角な音色で、鍵盤は非常に軽く、音が伸びるという感じではなく、ぶっきらぼうな感じさえします。
でも、それが非常に新鮮で華美でなく、バッハを弾くならチェンバロだなと思いました。
話を元に戻します。
私は、演奏者の数だけ奏法があると思っています。
ピアノを弾く時は、その時代の弾き方で、と仰る先生方も多いです。
私は、何を弾いても(バロックでも古典でも)『もしも、ショパンが弾いたなら』になってしまいます。
ショパン奏法(=重力奏法)で弾くこと以外、私が、その手の痛みから解放されることが無いこと、そして、もう以前の弾き方を真似ることも困難なほど、ショパン奏法が当たり前になっています。
これが意味するところは、ショパン奏法(=重力奏法)は誰でも習得できる、ということ です。
調律後の確認の時にチョコット私が弾くわけですが、調律師の方が
『そんなに小さな音で、、、聞こえ、、な、い、、よー、っ(笑)』
私の演奏は、まー、小さいです、音が。だって、ほんの少ししか触りませんから。
上から、サーっと なでるだけ ですから。
調律師はたくさんのピアノの演奏を聴く機会があると思いますが、その方にそのように言われて非常に光栄でした!
勿論、重力奏法でなくてもピアノは弾けますし、重力奏法でなければならないとも言いません。
ただ、私が思うには、ショパンを弾くならショパン奏法(=重力奏法)が一番正しい、と思っています。
ーどうして、ショパン奏法が生まれたか。
チェンバロと違いピアノの鍵盤は重いです。
室内楽器であったチェンバロは、フルコンサイズの大型ピアノまで変化(進化)しました。
それまで弾いていたように指を細かく素早く動かすだけでは、演奏が非常に難しくなってしまいました。
動かすだけではなく、もうひと踏ん張りの力を加えなければ音が出ません。
以前の指で弾くスタイルで熱心に練習すればするほど、身体が無理をして、私のように腱鞘炎の闘いの日々になり、運が悪ければ、骨が変形してしまいます。
ピアノの練習熱心な方に同じような骨の変形が見られます、このような悲しい事態はあってはなりません。
私は自分の経験から今の指導方法にたどり着きました。
無理に力を使うのではなく、自重を使ってピアノを演奏する方法を伝える、これが私のレッスンです。
ピアノの習い始めに、細かくフォームの話をしてくださるピアノ講師がどれほどいるでしょうか。
フォームが間違ったまま習っているから、ピアノは末端人口は多い割には、長続きしません。
ピアノを愛する私にとっては、折角お伝えしていることがそのようなことになることは悲しい限りです。
少しでも一人でも多くの方が、ずっと弾き続けてくれるようなレッスンをしていきたいと思います。
重力奏法の執筆活動は、不定期ではありますが、ずっと続けていくつもりです。
次回は、再び楽譜と実演・解説に戻ります、お楽しみに♪
※次回からは曲(両手オリジナル曲(予定)←片手1音2音)を使用します。
それまでの間、わかりやすいぞ!シリーズ(過去ログは下部にあります)の一読をしていただくと嬉しいです。
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