美しい音に繋げるための手の形

今回は「ピアノを弾く手の形」についてお話ししていきます。

ピアノを弾く時の腕の位置、手の位置は不自然。

そもそも、そういう姿勢からピアノ演奏は始まります。

ですから、”鍵盤に手を置く”という姿勢の段階で、”ある一定量の力”が必要です。

ピアノを弾く━という姿勢へ移行すると同時に、”それ以上の (姿勢を保つ)力” が必要になってきます。※1

その力が最低限度である事が美しい音、すなわち素晴らしい演奏に繋がります。

上述を根拠に、『ピアノを弾く手の形(の理想)』を私はレッスンで教えています。

以前は正論(今でもそのように覚えていたり、そのように教えていたり、そのように書いてある教則本も存在します)であった、

『卵をつかんだような形』─を作るには、※1に加えて更に力※2が必要になります。
─※2は、演奏するのに必要ですか?
─演奏している手の形が○○のようだというのと、○○のような形にして弾きなさい というのは別です。

私が教える時、卵を掴んだ形のように見えなくもありません。
しかし、それは、そのように見える─ということなのです。

私が教えるピアノを弾く手の形とは!

風船を掴むように─です。
第2関節の手のひら側に小さな風船を入れて掴みます。
その風船を むぎゅむぎゅ します。(第2関節で風船を掴む力を強めたり弱めたりする、ということです。)

この時、動かすところは、第2関節だけ!です。
指先は第2関節につられて動きます。
この、つられて動く指の動作こそ、ピアノを弾く動作─です。

第二関節につられて動く指の動作=ピアノを弾く動作

ですから、指は動かさない、動くもの ということになります。
指を動かして叩いているうちは、ピアノは決して上手くなりません。
ある一定のところまでは上手くなります、ピアノが好きな人は長時間練習も惜しみません。
しかし、腱鞘炎になったり、ある一定のところから、全く上達しません、スランプに陥ったり、ピアノを辞めてしまう人も多くいます。

重力奏法を身に着けると、音が出た瞬間から美しい音に包まれて幸せな気分で演奏できます。

レッスン生の年齢に関係なく、それは表情を見て明らかです。

嬉しさが顔いっぱいに広がります。

重力奏法は、ひたすらピアノに向かって弾く練習だけでは習得できません。

それは年齢がいくつであっても同じです。

習得して教える者、学ぼうとする者が共有し得る情報を同時に提供消化するという作業を、喜びを感じながら進めていきます。

下記に記すツイグラー大先生は天分と言っておられますが、私は、それよりも一緒に喜びを感じることではないかと思っています。

重力奏法の具体定な弾き方については「あめふり」にアップしています。

レッスン時には、実際に風船を掴ませて弾かせることもあります。
ご興味がおありでしたらそちらもご覧ください。

『あめふり』─オルガン・ピアノ1より─

 

第一部「心で聴く」ピアノ奏法へ構想

実り豊かな音楽の学習には三つのことが必要である。
天分、努力、および良き教師がそれである。
芸術的演奏は難度6からようやく始まるものではない!
この芸術的演奏の土台は第一段階においてすでに置かれなければならない。
「心で聴く」方法に則った音楽演奏は深い静けさを欲し、騒々しい技術(テクニック)の世界から内的な離脱を必要とする。
─ツィグラー「耳から学ぶ教本のために」より─

美しい音を求めてまだまだ旅は続きます。

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教室では、楽譜通りに弾くだけではなく、美しい音の追及、ピアノを弾き始めの段階から体を痛めないレッスンをします。

美しい音を出すために、お子様の成長に、大人の方の「またピアノを弾きたい」を応援します。
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